ギース・ハワードの花嫁(10)-grance-

 別れ際。それぞれ、背を向けて進みだし、ふと。

 何か、直感が働いたのか、それとも…?

 今だからこそ、私は彼らの視線を合わせようと思ったんでしょうね。数年前の私なら、視線を合わせる事はしなかった。どちらかが見て、どちらかは振り返らない。もしくは二人とも振り返らない。

 一番可能性が高いのは、同時ではなく、二人とも振り返る。ふっと1人が振り返り、背を見つめ、また向き直ったとき、相手が振り向く。

 でも、今の私は、彼らの視線を「合わせたい」と思ったんです。ココから「ギービリ」が始まるんだって黙示も兼ねて。同時に振り向いて、目が合ってしまうって、お互いの波長がシンクロしてるとか、なんかピっとくるモノがあったとか。神秘的とは言わないまでも、「ドキ」っとしませんか? だって、「お互い」の気持ちがなくちゃ、そうはならないんだもの。少なくとも私はドキドキしますよ(笑)。

 未来の私も、同じ気持ちでこのシーンを描くとは限らない。けれど、今だから、今の気持ちで描いてみました。

 ちなみに、「振り返れ念」を送るってのは、流石に「ないかな~」と。

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